離婚直後、心身ともに疲労を感じていた時
ある一通のメッセージが届いた
忘れもしない。あれは私がその当時働いていたオフィスでお昼休憩をとっている時。
その日はたまたま一人でランチをしていて、ふと携帯を見たときに見えた”未読1件”
メールの発信者は、高校生~大学生時代に遠距離恋愛をしていた例の米国在住の彼。
”(和訳)ハイ、久しぶり。最近元気にしてる?”
この彼とは、別れてからたまに挨拶程度のメッセージを送りあうことはあったものの、
あっても2年に1回程度。
普段は挨拶交わして終わりのメッセージ。
だが、この日のメッセージは挨拶だけで終わらなかった。
私は返事を打った。”ハイ、私は元気にしているわよ。久しぶりね。あなたはどうしてた?”
すぐに携帯が鳴った。彼はオンラインになっていてすぐに返事が来た。
”元気だよ。最近君がどうしているかなって思っていたんだ”
そこからお互いの近況について話が進んだ。
今までは挨拶程度で終わっていたため、お互い知らないことがたくさんあった。
私が結婚・離婚をしたこと。
彼も結婚・離婚していて、さらに娘がいるシングルファーザーとして頑張っていること。
詳しく話を聞くと、彼が結婚をした理由は、当時付き合い始めた彼女が妊娠してしまい、責任を取るために結婚したそう。
だが、子供が生まれてまだ数か月の頃、その彼女は他の男と出て行った。
彼はそれから娘を男手一つで育てているらしい。
娘は今3歳になったばかり。話を聞いた時は、3年間一人でよく頑張っているな、と感心した。
さらに話は盛り上がっていった。過去私たちが付き合っていた際の話まで出た。
”正直言うと、あの時君と別れてすごく後悔した。僕は君を迎えに行きたくて、実はあの頃必死にバイトのお金を貯めていたんだ。本当に迎えに行けばよかったよ”
そんなメッセージが彼から送られてきた。
私は離婚したばかり、自分から望んでした離婚だったというものの、やはり心に傷はついていた。
そんな時の、そんな彼からの一言。
私は内心ものすごくドキドキしてしまった。
とっさに返事を打つ。”そうね、あの頃私たちが別れずに一緒にいたらね、今頃どうなってたのかしら”
鼓動は高まりながら彼からの返事を待っていた。
一度は愛した人。それに、青春時代に心を奪われていた人。昔に戻ったような気分になっていた。
そして彼からの返事。
”僕は今まで一度たりとも君のことを忘れたことはないんだ。あの頃から変わらずずっと君のことを愛している”
私は驚いた。と、同時に素直に嬉しかった。もう別れて8年ほど経つというのに、まだ私のことを想ってくれているなんて・・・
私はその時、ただただ誰かに想ってもらえてることに幸せを感じてしまっていたのだろう。
離婚して心にぽっかり穴が空いていて、そこに彼はすっと入ってきてしまった。
”君は僕のことどう思っている?”
どう返事をしよう・・・どんな返事が正解かはわからないまま、ただ
”もちろん私だって忘れたことはないわよ、だって長く一緒にいた関係だもの。でも私たちは別々の道を選んだ。あの時一緒になる道を選んでいたらよかったのかもね”
なんとなく当たり障りのない返事を返した。
すると彼から
”今からでも遅くないと思う。僕たち、もう一度やり直さないか?”
私の傷ついていた気持ちは、もう彼に持っていかれていた。
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あの日、私が一人でランチをしていなかったら。
あの日、私がランチ中にメールに気づかなかったら。
あの日、私が返事をしていなければ。
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