彼はいわゆる”イケメン”と周りに言われるような容姿端麗な人だった。
肌はいい小麦色、約185cmほどある高身長、がっちりした体つき、堀の深い顔立ち、目はくりっとまつ毛は長く、大きな笑顔が特徴的な人。
誰にでも優しく、男女問わず人気があった。
そんな彼と一緒だったこそ、私は常に必至だった。
彼から言われる通り、長い黒髪を綺麗に維持し、体形も維持するためにジムへ出向き、出かけるときには個人的にはそこまで好きでもないヒールを履いて、服装も彼の好みに合わせ、
今思えば、本当に彼に合わせて生活していた。
そのころは、そんなこと”どうってこと”なかったんだけどな。
彼は夜街に出かけるのが好きな人。音楽が大好きで、いわゆるクラブへ出かけては友達と会ってただただ時間を過ごす。
私も一緒に連れていかれていたけど、私は昼型人間。
夜型の彼に生活を合わせることはとても大変だった。週末はいつも朝方まで遊んでは自宅に帰る生活。
そんなに大変なら、彼だけ遊びに行かせればいいじゃない、と思われるかもしれないけど
私はそれも怖くてさせられなかったんだと思う。
一人で出かけたら・・・女友達も多い彼・・・誰にでも優しくする人・・・
もしものことがあったら。そう、浮気をされるのではないかという不安。
その不安が常にあった。
かっこいい彼が自慢ではあったが、私にとってその代償は”信頼”が築けなかったこと。
これが、恋愛と結婚の違いなんだと思う。
恋愛する分には、十分な人。自慢のイケメン彼氏を右手にさっそうと街を歩く。
周りからみられる目を感じては優越感を感じていたのかもしれない。
けど、実際の自分の心の奥底では、”不安”との闘い。いつになったら心の底から彼を”信頼”できるのかという葛藤。
安心して、相手のことを心から信頼して、お互い自由に行動できる関係性が、結婚には必要なんだと
今の結婚生活を通して思う。
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